製薬企業所属の医師だからこそできる患者さんへの貢献のありかた―製薬企業の社員(non-MD)からの視点①-9

その九: 世界へ広がる企業内医師(MD)の活躍の場

ここ二~三十年来、日本を含めた世界規模の医薬品開発は国内企業のみならずグローバル企業でも大きなニーズであり、そうしたグローバル企業での日本人社内医師の活躍は日本国内にとどまっていません。出張ベースで様々な海外の国に出向いて開発戦略の策定を行ったり、時には海外の薬事当局との面談で討議を主導したりするケースもあります。また、海外に数年間駐在してグローバルリーダーとして開発を主導する役割を担ったり、その学びを日本に持ち帰った上で大きな開発組織を管理する立場となってご活躍されている日本人社内医師を数多く知っており、こうした方々の努力と活躍があってこそ日本の医薬品業界の発展がこれまで実現できているのだと感じます。

以上、医師ではない製薬企業社員の立場から、社内医師はどのような職務に見えていて、どうあってほしいと思っているのか、多分に私見を含みますが、経験をもとに書かせていただきました。まだ企業での勤務経験のない医師の方々、あるいは国外で活躍されていて日本でも活躍の場を求めておられる医師の方々にとって、今後のCareer Opportunityを検討されるうえで多少なりともご参考にしていただけましたら幸いです。医薬品業界でよく耳にする言葉ですが、我々の業界は「It’s a small world.」、広くて狭い世界です。びっくりするぐらい人と人のつながりで出来上がっていて、昔の同僚と思わぬ形で再開することが多々あります。将来どこかで、ひょっとすると同じ会社の社員として、あるいは、業界内のライバルとして学会やセミナー、業界活動、産官学連携事業などで、何らかの形で一緒にお仕事ができる機会があればと思います。その際は「あの文章読んだよ」と一言お声がけいただければ、嬉しく思います。その日を心待ちにしております。